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3. 【出産】 立会い出産
■ 立会い出産を希望
「立会い出産」・・・賛否両論あるようですが、
妻が妊娠した当初から「出産には立ち会うからね。」と
約束していました。
そう、立会い出産を早くから希望していたのです。
実際は、立会い出産を認めていない病院があるなど
事前に調べなければいけませんが、私は病院以前に、
「絶対に立会い出産を!」と希望していました。
今思えば、もう少し慎重に、
自分だけの希望を優先させるのではなく、
妻の意向を聞いてから判断すればよかったと思いますが、
妻もはじめから立会い出産を望んでいたようです。
立会い出産を希望していた理由は、
初めての出産でとても不安な妻のそばにいて、励ましたいという
強い思いがありました。
また、わが子の出産を目にすることで、
父親として今後の育児に積極的に関わりあえる自分に
なろうとも考えていました。
高校時代に、何かの本で知り、
とても納得させられた言葉があります。
〜 己が身の 誕生の日は 母苦難の日(読み人しらず) 〜
立会い出産をすることで、この「母苦難の日」を自分の目に
焼き付けたかったのかもしれません。
あるいは、この世の光を初めて目にするわが子に、
後々出産の時の様子を
詳しく話して聞かせたかったのかもしれません。
いずれにせよ、「立会い出産すべき」というのが、
私が私に下した判断だったのです。
■ 出産間近に、パパママ講習
妻は出産を実家の近くの病院(クリニック)に決めました。
私の職場からも30分以内で着く距離にあり、
陣痛!いざ出産!という時に、
素早く駆けつけられるようにしました。
立会い出産を希望する場合、
あらかじめ立会い出産用のパパママ講習(夫立会い指導)を
受講しなければならず、仕事を休んで受けに行きました。
講習会場に到着して驚いたことは、
意外と立会い出産を希望する夫婦が多い、ということです。
私たちと同じ時間帯でおよそ30組の
立会い出産希望夫婦が出席していました。
講習会でいただいた詳しい資料は残っていませんが、
そこで学んだことの中で最も印象深かったことは、
「出産は、ママだけが痛くてつらいのではなく、
赤ちゃんも産まれたい一心で痛みと苦しみに耐えながら
頑張っている!」ということです。
赤ちゃんが産道を通るとき、簡単には抜け出せないため、
頭の先端が少しとがっていること、
また体をスクリューのように回転させながら通り抜けてくること、
などを学びました。
「赤ちゃんも産まれたがっている」という視点を与えられ、
本当に意義ある講習会でした。
妻とわが子が「誕生」のために苦しみ耐える場に、
立会い出産という形で同席するとはいえ、こと出産という点では
男は無力なのだろうか・・・と不安になりました。
けれど、一番不安なのは、初産に挑もうとしている妻なのです。
私は、出産という偉業の場に同席できることを感謝し、
帰宅後も妻とラマーズ呼吸法を特訓しました。
■ この日をどれだけ待ったことか!
妻は出産の日の「おしるし」(少量の
血が混じったおりもののこと。お産が
始まるサインのひとつ)があった時刻
から、わが子をお産するまでの時刻
を残しています。 |
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午後7:00 おしるし
午後11:30頃より陣痛(?)・・・よくわからなかった
午前0:00 入院・・・このころ陣痛はすでに3分おきになっていた
そして・・・
午前8:07 Coco Happy Birthday!
立会い出産を希望していた私は、
連絡を受けすぐさま病院に駆けつけました。
病院までの道すがら、
「まだ産まれないでくれよ!」lと何度も繰り返していました。
しかし病院では、妻は両親と一緒にいて案外ケロッとしていました。
午後11:00前に両親は帰宅し、
私と妻の二人で「いよいよその時」を待ちました。
「とうとう今日だね。がんばろうね。」と手をつなぎ、
出産が無事成功することを祈りました。
わずか30分後、妻が急に苦しみだし、すぐに処置室へ移動しました。
私もついていきましたが、処置室の手前の部屋で
随分長い時間待たされました。
午前4時ごろ、看護婦さんから「まだかかりそう」と聞かされ、
いったん病室に戻りました。
そこで、私は不覚にも眠ってしまいました。
午前6時ごろに看護婦さんから起こされました。
すでに妻は分娩室で、自分と闘っていました。
私の姿を見ると、ホッとしたようにうなずきました。
そして、何も言わず手を握り締めました。
数秒おきにやってくる陣痛と闘いながら、妻の顔面はだんだん赤らみ、
汗が顔中を覆っていました。
私は何度も汗を拭き、手を握り締めて
「大丈夫だ!大丈夫だ!Cocoもがんばってるからね。」って
声を掛けていました。
そう声を掛けながら、けな気にうなずき、痛みに耐えている妻を見て、
「かわってあげたい!」と本気で思いました。
心の奥で「自分には無理だろう」と思いましたが、
それでも目の前の妻を見ていると、
涙が次から次へとあふれてきました。
もう妻の手を握ることはやめました。
自分の手が潰されてしまう、骨が砕けてしまうと危機感を覚えるほど、
それはそれは強い“力”でした。
この女性のどこにこんなにも強い力があるのか・・・と
不思議に思えるほど、それは「生みの苦しみ」・「生みの力」でした。
「産まれる!」と思える場面が何度もありましたが、
5回トライして失敗しました。
「いきむ」時の妻の表情が忘れられません。
顔中の血管から血が吹き出しそうなほど真っ赤です。
これほど真っ赤な顔を見るのは初めてでした。
目の前で繰り広げられる誕生劇。
私は、観客に成り下がっている自分に気づきました。
もう私の励ましの声は、いきむ妻には聞こえていません。
妻は自分と必死に闘っていました。
それは、「オンナ」から「母」へと生まれ変わる戦いでした。
感動しました。
泣きまくりでした。
妻の姿に心打たれ、完全にやられましたよ。
そして、「これでもか!」というくらい妻が本気でいきんだ時、
妻の股の間から黒々としたCocoの頭が出てきました。
そこからは、素早かったです。
先生に抱き上げられるわが子、Cocoをはじめて見た時、
私はホッとしました。
「この子も本当にがんばった!」「やっと産まれたんだね。」と
すぐに抱きしめたかったのですが、それは叶いませんでした。
妻はぐったり疲れ、分娩ベッドに横たわりました。
その時の表情は、本当に美しかった。
至福の表情とは、こうした表情のことか・・・と初めて知りました。
その後、私だけ病室に戻りました。
一人部屋の病室の窓から見える、
Coco誕生の朝の空を眺めながら、
心の中でくり返しました。 |
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「美しく、すこやかに育てよ。
そして、多くの人に 役立つ人間になれ!」
そして、再びあの歌が思い出されました。
〜 己が身の 誕生の日は 母苦難の日 〜
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4.【乳児】「げっぷっぷ〜」へ・・・ |
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